2011年08月25日

心に灯りがつく話


日本列島ただいま迷走中
…といえなくもありませんが、
皆さま、お変わりなくお過ごしでしょうか?

心に灯りがつく…
くさいってゆわないでほしー(長音記号1)

文芸春秋8月号に
私の好きだった作家の講演が
掲載されていましたので、
書店で手にとってみました目
彼は吉村昭という作家で、
すでに4年まえに逝去されましたので、
久々のご対面といった感じですねハートたち(複数ハート)
彼らしい内容の語り口に接して
少し嬉しかったですぴかぴか(新しい)

彼のほかに
私にとって好きでも嫌いでもない、
つまり、
あまり関心のない藤本儀一という作家の
講演内容も掲載されておりまして(笑い)、
藤本さん、ごめんなさい失恋

が、とてもいい内容でしたので、
以下にご紹介してみますね。

文章を書くというのは省略していくことだと
いうことがわかってきたんです。
どういうふうに省略するかというと、
皆さんの頭の中に真っ白の原稿用紙を
一枚広げてみてください。
その中に、
「私は妻と結婚して三十年がたった」
という文字を入れます。
文字とか文章とかいうやつは、
人間の肉体と同じなんです。
贅肉はないほうがいい。
だから、主語を切って、
「妻と結婚して三十年がたった」
次に、「妻」を切って
「結婚して三十年がたった」
これでもいけません。
「三十年がたった。結婚してから…」これで
ようやくアマチュアを脱したことになります。
でも、プロにはなっていません。
なぜかといったら、こういう文章を書く人は
掃いて捨てるほどいるんです、世の中に。
これではだめなんですね。
なぜだめか?
「結婚」という文字が俗っぽすぎる。
で、「結婚」という言葉を消して、
「私と妻との三十年間の歳月」となる。
すると、やや文学の香りが、
永谷園の海苔茶漬けぐらい香ってきた。
でも、ここで酔ったらだめなんですね。
これでも、
まだアマチュアの域をちょっと脱した、
国体の予選を通るかどうかという程度。

今度はこれまた主語を切ってしまう。
「妻との三十年間の歳月」。
これで贅肉がだいぶ取れてきた。
ところが、
これでもまだだめなんですね。
ようやくオリンピック候補選手みないなものです。
さらに、これをどう切るかというと、
「歳月」を切るんですね。
すると、「妻との三十年間」。
これでもうオリンピックに参加して
優勝を争うわけです。
しかし、完成はしていません。
最後に、
「妻との三十年間」の「間」を切るんですね。
「妻との三十年」、これでいいんですよ。
これを始めから書くやつは天才なんです。

どう?ひらめき
ええぢゃろ?かわいい

文章は行間を読むといいますね。
文字になっていない空白の部分に、
想像がたくさん湧いてくるわけなんですね。

では、皆さま、残暑厳しき折柄、
くれぐれもご自愛くださいませねキスマーク

posted by 泣Aドコム at 18:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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